第1節 グループウェアとは
近年、ホワイトカラーの生産性向上と事務の効率化を目的とした「グループウェア」と呼ばれるソフトウェアが普及し始めている。
グループウェアを利用した場合、組織におけるコミュニケーションの円滑化や情報の共有化が促進され、また事務の自動化もできることから、非定型業務に費やす時間を短縮することができると言われている。
このため、最近では民間事業者のみならず、国や地方公共団体においても、行政改革あるいは行政情報化の手段としてグループウェアが注目されている。
1−1 グループウェアの定義
グループウェアとしての明確な定義はないが、一般的には「コンピュータネットワークの利用を前提とし、グループでの作業を支援するために作られたソフトウェア及びソフトウェアを含む仕組み」のことをいう。
通常、組織として仕事を遂行する場合、組織内のほかの職員と何らかの形で意志の疎通を図り、共通の情報や認識を持つ必要がある。
この共通の情報や認識を持つ方法として、打合せや報告あるいは会議など、いわゆるコミュニケーションがあり、また、その他の方法としては、お互いが保有する文書などを公開し、情報を共有化するなどが挙げられる。
実際には、従来から電話やFAXなどの機器を利用し、コミュニケーションや情報の共有化を図ってきた。しかし、それぞれの機器は個別的な機能しか有しておらず、組織としての事務作業を総合的に支援するものではなかったといえる。
コミュニケーションをより円滑に行うことができれば、あるいは、情報の共有化をさらに促進することができれば、お互いの仕事内容や実施状況などを迅速に把握できるため、事務作業を円滑に遂行することができる。
グループウェアとは、組織内におけるコミュニケーションや情報の共有化を活性化させ、組織としての共同作業あるいは協調作業を総合的に支援するために作られた、ソフトウェアあるいはその仕組みであるといえる。