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8.5.3 アルミ船の電気防食

 アルミ船を防食する場合は、船体のアルミ合金よりも卑な亜鉛やアルミニウムを陽極とした流電陽極法が一般に採用されている。しかし、アルミニウム陽極を過剰に取付け過ぎると、船体電位(陰極電位)が卑になり過ぎ、図8.12に示されているように船体の腐食量が増すため、アルミニウム陽極を過剰に取付けず、陽極電位の若干貴(プラス)な亜鉛陽極を適正な数量を取付ける必要がある。

 なお、アルミ船の場合、外部電源防食法は、電極周囲の電位が局部的にかなり卑になるため、採用しないほうが良い。以下に次表のアルミ船の場合について、陽極取付け数量の計算例を示す。

217-1.gif


船体防食電流密度は図8.1より22mA/?が求められ、また、プロペラ防食電流密度は8.5. 1-1. (1)の式中のdbに示すように500mA/?とする。陽極は表8.1より、B−6型(20x150×300?)で発生電流は460mA/個であるから

     N=((190×22)十(2×500))÷460=13個

となる。ただし、船体両舷に均等に配置するため、14個とする。陽極の取付けについては、図8.5を参照のこと。また、プロペラ軸へのスリップリングの取付けについては、図8.7、図8.8、図8.11を参照のこと。

 

 

 

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