(4) ステンレス鋼製プロペラ軸の腐食
ステンレス鋼製のプロペラ軸に局部的な腐食が生じることがある。ステンレス鋼の耐食性は、鋼材表面に形成される酸化被膜(不動態被膜)により維持されている、この被膜は、海水中の塩化イオンによって破壊されたり(孔食)、付着物や軸受け材とプロペラ軸の極くわずかな隙間に生ずる溶存酵素の濃度差による一種の酸素濃淡電池作用により局部的に破壊されたりすると、その部分が陽極となり、不動態被膜の陰極との間の電位差によって局部的な腐食が進行する。
防食対策としての留意点は、次のとおりである。
(a) ステンレス鋼の表面に異物が付着しないように常に注意する。
(b) ステンレス鋼の表面と他の物質との接触而に伽めて薄い阯間を作らないようにする。
(c) 亜鉛陽極やアルミニウム陽廠で電気防食すること。