9.3 主電路系統図
主電路系統図には、発電機、配電盤、変圧器、電動機、始動器及びこれらの制御回路を含む系統、蓄電池及び充放電盤の入出力回路、照明装置の分電盤に至る回路など、給電回路のすべてを含める。
配線回路は、樹枝状配電方式が一般的であり、機関の主要補機用電動機の始動装置は、主配電盤と列盤とすることが多い。これは主配電盤の発電機母線を延長して、これより列盤の各始動器に給電する方式である。
図9.5に主電路系統図の一部の主要補機給電回路の一例を示す。
9.3.1 発電機回路
配電盤と発電機(原動機への回路を含む)の間の回路は、それぞれのメーカーの回路図に合わせて漏れのないようにする。
発電機主回路のケーブルは、発電機容量、端子箱の大きさ、電路の状況、配線及び結線工事の難易、経済性などを考慮して複数本のケーブルを並列使用するのが一般的である。
9.3.2 船外給電回路
給電箱は、船外から受電しやすく、かつ、給電線が人の出入りに支障を生じない場所に設け、配電盤との間に固定のケーブルを配線する。
小型船、漁船の場合は、動力用のみでなく電灯用100Vの単相給電装置を設備することが多い。この場合、配電盤において、変圧器二次側と切換えて単相給電ができるようにする。
9.3.3 変圧器回路
変圧器の構成は三相変圧器1台又は単相変圧器3台1組とし3心線で配線する。
また、外洋航行船等においては、三相変圧器を2組又は単相変圧器を個々に3台装備することが要求されており、それぞれ、3心線、2心線で配線する。