-2.デッカ受信機
デッカは、長波を使用した双曲線航法の一方式で、ロランと違い連続電波の位相差を測り位置の線を求め船位を定めるものである。
一つの主局と三つの従局が一組となり構成され、これをデッカチェーンと呼び40数チェーンで運用され、測位有効距離が昼間で350マイルの中近距離航法システムとして、高精度の測位が可能である。
ヨーロッパを中心に発達普及したもので、日本では北海道、東北そして九州にデッカチェーンがあるが、GPS航法に置換えられヨーロッパ、アフリカを別にして、国内では近い将来廃止の方向である。
8.13 レーダー
船舶用レーダーは、パルス状のマイクロ波を指向性空中線から発射し、その電波が物標に当たり反射して戻ってくるまでの時間を測定して物標までの距離と物標の方位を測定することができる装置である。物標の探知距離は、24〜60海里のものが普通で、120海里まで有効なものもある。
表示は、PPI(Plane Position Indicator:平面位置表示器)に表示される。
表示面の大きさは、7インチから、10、12、16インチの種類がある。
PPI表示方式には、アナログ式とディジタル式のブラウン管表示方式があるが、多くの利点を有する後者の方式が主流である。
ディジタル式のブラウン管表示方式は、PPI走査で得たレーダー映像の極座標での位置を、直交座標の位置に変換し、ブラウン管に表示するものである。このため、テレビのように高輝度表示ができることと、その輝度を一定に保つことができるため、明るい場所で同時に複数の人がその映像を見ることができる利点がある。
(1)船舶用レーダーに使用される周波数帯
3cm波帯 9320MHz〜9430MHz(Xバンド)
10cm波帯 3000MHz〜3100MHz(Sバンド)