3.4.3 パーセントインピーダンス方式
これは基準電圧及び基準kVAに対するパーセントインピーダンス
と基準電流とで短絡電流を算定する方法である。
この方式の考え方としては、
(a)時定数を考慮することなく、発電機の交流分の減衰はしないものとする。すなわち短絡インピーダンスは初期過渡以後不変とみなす。
(b)発電機の負荷時と無負荷時との区分はしない。
(c)発電機、電動機の直・並列インピーダンスを含む全合成インピーダンスにより計算する。
(d)母線から短絡点までの給電回路のインピーダンスは、短絡点から見た電源側回路網の全合成インピーダンスとして計算する。
(e)非対称最大尖頭値は、対称実効値と直流分として合成インピーダンスの回路力率から、それによって定まる非対称係数を乗じて算出する。
(f)電動機については、平均的な一定倍数を乗じる。
したがって計算は簡単であり、減衰を無視しているので実際値より多少大きくなる傾向がある。
次に図3.22を基にその計算法の一例を示す。
-1.回路定数
(1)発電機定数
交流発電機:225〔V〕、3φ、60〔Hz〕、642〔A〕、250〔kVA〕×2台
発電機直軸初期過渡リアクタンス:x’d 17.0〔%〕
〃 電機子抵抗: Ra 0.00555〔Ω〕
ra=0.00555×(√3×642/225)×100=2.7 [%〕
発電機回路のケーブル:
TPYC−60x6 12〔m〕