船舶において、電気は、機関部と並んで推進に重要な要素となるとともに、船内全般の計測、情報伝達などの神経系統をも受持っている。
近年、電気、電子技術の進歩がめざましく、船舶上においても、安全運航の向上、省人化、省エネ化にその技術の応用が急速に進んでいる。このような状況下にあって、電気装備技術の向上もまた、船の大小を問わず大いに要求されるところである。
日本船舶電装協会においては、このような趨勢をふまえて、平成8年度事業として主として総トン数20トン以上の船舶を対象とした「船舶電気装備工事ハンドブック(設計編)」の改定版の刊行を企画し、このたび本書が発行されることになった。
本ハンドブックが、上記の要望に答えるべく、近代化船の電装設計に大いに役立たせていただくことをお願いしたい。
刊行にあたっては、“日本財団”から補助金をいただいたことに多大の感謝を申上げるとともに、執筆、編集に力を尽くされた委員や関係者の方々に心から謝意を表したい。また、委員会の事務局として資料検索、編集、発行に携わっていただいた日本船舶電装協会の方々のご苦労に対しても、併せて謝意を表する。
平成9年3月
社団法人日本船舶電装協会
船舶電気装備工事ハンドブック作成委員会
委員長 森田 豊