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5.2 通信処理部プログラムの評価

本年度に試作を行ったサブネットワーク・アクセス・プロトコル(SNAcP)の主要機能は、サブネットワーク・コネクション(呼)の確立/解放と航空機の高速移動に伴うコネクションのハンドオフである。VDLにおけるデータリンク層レベルのハンドオフは、一時期に2つの独立したリンクを同時に確立し、Make−Before−Breakの原則に沿ったリンクを提供するのみの機能であるが、サブネットワーク層レベルのハンドオフでは、その中でパケットの連続性(モジュロ・シーケンス)を保証してコネクションを維持するという特徴を持っている。すなわち、1個のユーザ・データを転送中にハンドオフが発生した場合に、2つの地上局を介してそれらを転送しながらも受信端局側のユーザには1個のデータ単位として引き渡されるということを保証する機能である。
本年度は、このコネクション・ハンドオフの詳細な移管方式や手順に着目したシミュレーションを中心にプログラムの試作評価を実施した。評価用ハードウェアには、汎用のパーソナル・コンピュータ(PC)(PC−98シリーズ:NEC製)を使用し、機上局用PC1台と2局の地上局プログラムを同時に実行するPC1台とを対向で接続して、空地のSNAcP機能に対する評価を行った。(図5.2参照)
評価は、第1段階として、SARPsに規定された基本動作の確認・試験を行い、第2段階として、コネクション・ハンドオフの特性及び手順の探求を行った。この項では、その後者の評価結果について記述している。

 

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図5.2 通信処理部プログラムの評価形態

 

 

 

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