
1. 概要
1.1 VHFデジタル・リンク研究の実施体制
(財)航空振興財団では、運輸省航空局の要請に基づき、(財)日本財団の補助を受けて行う事業として、平成5年度から「VHFデジタル・リンク(VDL)開発に関わる研究」を開始した。平成5年度は、学識経験者及び航空システム関連の専門家から成る「VHFデジタル・リンク(VDL)研究委員会」を設置するとともに、初年度としてVHFデジタル・リンク・システムの基本設計にかかわる調査研究を実施した。平成6年度は、VDLシステムの構成要素の中で特に、変復調部の差動型8相位相変調(D8PSK)回路及び誤り制御回路並びに通信処理部プログラムの媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ及びデータリンク・サービス(DLS)サブレイヤの要素技術にかかわる部分試作及び評価を実施した。
平成7年度では、高周波部の送信PA部回路及び受信部回路並びに通信処理部プログラムのリンク管理エンティティ(LME)サブレイヤの要素技術にかかわる部分試作及び評価を実施した。さらに、平成8年度は、高周波部と変復調部の連接のための試作と評価及びVDLの最上位プロトコルであるサブネットワーク・アクセス・プロトコル(SNAcP)サブレイヤの要素技術に関する部分試作と評価、そしてこれまで試作したすべての部位を連接した総合評価を実施した。本書は、その研究内容について報告するものである。
1.2 実施期間
開始平成8年5月10日完成平成9年3月15日
1.3 調査研究のテーマ
(1)ICAOにおけるVDL関連システムの規格検討状況の調査
(2)高周波部と変復調部の連接評価
(3)通信処理部プログラムのサブネットワーク・アクセス・プロトコル(SNAcP)サブレイヤの要素技術に関する試作・評価
1.4 調査研究の担当
調査研究の全般を日本電気株式会社が担当した。
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