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sodium citrateを、またfibrinopeptide A(FPA)およびD−dimerの測定には、heparin200単位、aprotinin4,000kIUをそれぞれ抗血栓剤として用いた。採取した血液を4℃、2000g、30分間遠心分難し、血漿は測定まで−80℃で凍結保存した。PF4、βTG、FPA、TAT、D−dimer、PICおよびvWF:Agの測定は、酵素免疫法測定キット(各々、Diagnostica Stago,Asnieres,France;Diagnostica Stago,Asnieres,France;Diagnostica Stago,Asnieres,France;BehringeWerke,Marburg,Germany;Agen Biomedical,Brisbane,Australia;Teijin,Tokyo,Japan and Diagnostica Stago,Asnieres,France)を用いて行った。
5. 結果は平均±標準誤差により表示し、統計学的解析にはScheffe法によるone−way analysis of variance法を、左房径、平均僧帽弁圧較差および僧帽弁口面積と凝血学的分子マーカーとの関連にはsimple linear regression法を用い、p<0.05を有意差ありと判定した。

 

結果
1. 血小板活性の指標であるPF4およびβTG値は、各々、コントロール群の末梢血で8.5±1.8、34.3±4.2、僧帽弁狭窄症患者群の末梢血で10.8±2.1、39.1±5.3、右房血で20.3±6.1、48.4±9.9、左房血で22.3±5.7ng/ml、55.1±12.2ng/mlであリ、末梢血レベルにおいては僧帽弁狭窄症患者とコントロール群間に有意差を認めず、また僧帽弁狭窄症患者においては末梢、右房、左房間で有意差を認めなかった(図1)。
2. 一方、凝固活性の指標であるFPA値は、末梢血レベルで、コントロール群(1.08±0.19)に比し僧帽弁狭窄症患者(6.73±1.53ng/ml、p<0.01)で有意に高値を示した(図2)。さらに、僧帽弁狭窄症患者の左房血のFPA値(19.35±4.64ng/ml)は、右房(6.31±0.75ng/ml、p<0.02)および末梢血(6.73±1.53ng/ml、p<0.05)に比べ有意に高値を示した(図3)。
また、TAT値は、末梢血レベルでは、コントロール群(1.75±0.19ng/ml)と僧帽弁狭窄症患者(2.63±0.44ng/ml)間に有意差はなかったが、僧帽弁狭窄症患者の左房血のTAT値(11.45±2.29ng/ml)は、右房(3.98±0.60ng/ml、p<0.01)および末梢血(2.63±0.44ng/ml、p<0.01)に比べ有意に高値を示した。3。線溶活性の指標であるD−dimerとPIC値は、各々、コントロール群の末梢血で55.4±5.9、0.55±0.04、僧帽弁狭窄症患者の末梢血で67.9±10.2、0.69±0.08、右房血で63.8±7.6、0.68±0.07、左房血で63.3±7.1ng/ml、0.69±0.07

 

 

 

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