
3.2 焼却処理の経済的効果
(1)現行の油防除費用の分析
?費用は、過去の実例から次のように大別され、それぞれ所要額の大小を規定する主要因は、流出量と作業期間と考えられる。
資機材費
オイルフェンス,油吸着材, 油処理剤,その他 約30%
作業員費 約20〜25%
船舶費 約15〜20%
回収油処理費 約15〜25%
その他(通信、交通等雑費) 約5〜10%
?流出量、作業期間当たりの費用を計算すると次の通りとなる。
事故A C重油 1,000kl 60日間→80万円/kl 1,300万円/日
事故B C重油 600kl 50日間→100万円/kl 1,300万円/日
?現行の油防除手法の費用の面からの問題点をまとめると、次の通りとなる。
近年の事故例や今年の「ナホトカ」号事故に見られる通り、外洋における大量の流出油事故が発生した場合、現場作業は気象海象等の自然条件に大きく影響を受けるため、作業効率を改善することはほとんど不可能であり、必然的に長期化せざるを得ず、その間に要する資機材費、作業員費及び船舶費は巨額にのぼることになる。
更に、直接費用として計上されない海上保安庁、自衛隊等公的セクターの活動費用及び漁民を含めたボランティア的援助の活動費用等を考慮すると、実際に油防除に要する費用は作業期間の長期化とともに一層大きなものとなる。
この問題の解決方法はいたって簡単であり、人海戦術によらない作業期間の短縮化を可能とする手法が導入されるならば、確実に総費用は大幅に減少することとなるものと考えられる。
また、回収油処理費用も全体の15〜25%を占めているが、将来的にこの費用は増加することが予想されることから、その削減に資する手法の導入
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