4−4安全の動機付け(今後の展開で重要な作業者のやりがい)
高年齢船員の死傷事故防止の、より効果的な対策を見いだすため、設置された調査研究の委員会は、本文中に記述したように、多くの綿密な調査と関連の文献調査並びに各委員から提出された貴重な研究の蓄積等をもとに討議を重ね、有意義な今後の活動への示唆を得ることができた。
特に、事故解析における問題点の整理から、課題を人的要因と物的並びに環境的要因の2分野の各専門分科会による作業とすることが、効率化かつ、その深度化に有効で、対策指向の面からも妥当と判断されたので実行に移し、問題の整理と要因間の関係等の解明にも努力し、前述の成果を得た。
本文にも記載したが、それらを踏まえ、今後さらに重要度を増すと見込まれる高年齢船員の安全の向上への取り組みの展開について言及しておきたい。
(1)研究成果の活用・施策等の推進と、効果の検証・測定と問題点の抽出
報告書の本文に記載された作業上の提案や、設備的改善案等をもとに、試行案を十分に吟味したうえで設定し、妥当性の検討、加除修正すべき事項の抽出等の調査と再試行等に取り組むことが求められる。
当然のことながら、それらの解析から、さらに重要な提言が生まれる可能性も期待できるであろう。
(2)改善の方策の深度化を追求し検証する対応と新規の課題の探索
今後の展開においては、上記(1)の成績を分析し、綿密にどのような場面でも有効か、随伴する副次的悪影響はないか、等のアプローチも重要である。
また、対策間の干渉や矛盾等の存在等、試行の段階を経て明らかになる新規の課題の発見に対する観察眼も、軽視してはならない。試行における一過性の現象なのか、本質的な特性なのかの識別も重要課題である。
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