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[8]二重反転プロペラ最適設計システムの開発

佐々木紀幸、青野健(住重)、村上光功、藤本留男(日立)、野沢和男、舩野功(川重)、副島俊二、石井規夫(三井)、白木東、小野木裕(NKK)

造船5社は、軸系システムを含む二重反転プロペラ(CRP)システムを共同で開発した。本研究では、以下を実施した。(1)多くの設計パラメータを効率よく最適化するために最適設計プログラムを開発した。(2)CRPの単独特性や不均一流中でのキャビテーション性能を把握するためにQCMによる理論計算プログラムを開発した。(3)上記プログラムの検証のために大型模型による模型実験を実施した。

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[9]砕氷巡視船「てしお」の氷中航行性能について(その1)氷中推進性能に関する実船実験と模型実験結果の比較

岸進(NKK)、宇都正太郎(船研)、加納敏幸(小型船舶検査機構)、上園政裕(海上保安庁)、川島義伸(NKK)、泉山耕(船研)

1995年秋に就役した海上保安庁所属の砕氷型巡視船「てしお」の実船実験結果と水中模型実験結果の概要について報告した。平坦水中直進航行性能並びにラミング砕氷性能に関する実船と模型の相関について考察した結果、推進器と氷の干渉の影響が大きいことがわかった。

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[10]砕氷型巡視船「てしお」の氷中航行性能について(その2)プロペラと氷の干渉に関する実船試験

田村兼吉、泉山耕、宇都正太郎、下田春人(船研)、岸進(NKK)

砕氷型巡視船「てしお」の実船試験において、ゲージをプロペラ軸に直接貼り付ける方法により、ノズルプロペラと氷との干渉データー計測することができた。この結果、氷との干渉による軸馬力の変動成分の最大値は定常成分と同程度の大きさをもつこと、干渉の頻度は軸馬力に対しての比例関係が認められること等がわかった。また干渉の頻度についての模型実験との比較では、下図のように氷厚が厚いほど干渉頻度が高くなるという同一の傾向が確認できた。

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[11]砕氷抵抗に及ぼす船首形状の影響に関する研究

(第1報砕氷パターンと砕氷抵抗)

鈴木礼人、上村治、山ロー、加藤洋治(東大)、泉山耕(船所)

氷中航行では、氷を破壊するための氷板破壊抵抗が支配的となる。一般的にフレームラインが下に凸型のゆったりと丸い形状のSpoon Bowは、氷板破壊抵抗が小さいと言われる。平坦水中抵抗試験とPre−sawn Ice中抵抗試験の結果から氷板破壊抵抗を抽出し、これが船首形状の違いによってどう異なるかを砕氷パターンから考察した。その結果、Spoon Bowでは他の船首に比べて、船首角が小さく、水線角が大きいために、砕氷片の幅が大きく、進行方向単位長さあたりのクラック経延長が短くなり、氷板破壊抵抗が小さくなることがわかった。

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