1996年は、ボランティア活動をはじめとするいわゆる市民セクター活動への支援をめぐる法制度化への展開にとって、大きなステップの年になったのではないだろうか。そのようにいうのも、90年代に入り、とりわけ阪神・淡路大震災以降に民間団体からは当然のこと政府・地方自治体からもさまざまな提言・調査報告等が相次いで発表されるようになったわけであるが、1996年に出された諸成果は内容的にみて市民セクターに関する総合的な実態把握からさらに進んで、専門的で具体的な提言になっているからである1)。また、国会においても、こうした動向に呼応するかのように、与野党からの関係法律案(要綱)の発表、そして新進・連立与党双方からの法律案提出と進み、実際に新進党の法律案(法人格付与・法人税法改正)が委員会審議に付されるまでに至っているからである2)。