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都道府県と市町村は、通常、きわめて緊密な関係を保ちつつ日々の行政を営んでいる。都道府県は、国に代わって市町村行政を監督し、指導する一方で、市町村行政を支援し、互いに協力しあう関係にある。今後とも互いの協力の必要性はますます強まるだろう。こうした緊密な関係が円滑に維持されるためにも、互いの人事交流が不可欠であることは、いうまでもないだろう。
都道府県と市町村との人事交流は、若干の例外はあるものの、そのほとんどが市町村の発意によるものであった。また、国と都道府県の人事交流の場合、中央省庁から都道府県庁知事部局の課長職以上への出向者が、少ない県でも5人、多いところでは16人、平均11.8人おり12)(96年6月1日現在)、いわゆる「天下り」が常態化しているのに対して、県と市町村の人事交流の場合、先の表9−3からもわかるように、県職員を受け入れているのは一部の市町村にすぎず、派遣はあくまでも例外的である。また、特定プロジェクトや技術支援の色彩が強いことも、先にふれた通りである。
とはいえ、都道府県の職員が市町村に派遣される場合、受入団体である市町村が給与を負担し、派遣される職員は、県におけるポストよりも格上のポストに就くのに対して、市町村職員が派遣される場合、そのほとんどが実務研修生としての派遣であり、給与は派遣側の市町村が負担し、県における地位も一般の係員である。その意味で、少なくとも現象面をみれば、都道府県と市町村との人事交流も、国と都道府県の交流と同様に、明らかに非対称的な交流であるといわざるをえない。今回の調査でも、何人かの市町村関係者はそのことを指摘していた。その意味で、いくつかの県で試みられている相互交流制度は注目に値しよう。
いずれにしても、都道府県と市町村の人事交流は、県ごとの違いが顕著であるため、数県の事例のみをもって一般化することは危険である。次稿では、さらに事例を積み重ねるとともに、中央省庁と都道府県との人事交流についても分析をし、それとの対比のうえで論じることにしたい。「中間」団体としての都道府県の性格を浮かび上がらせるためには、国との人事交流の実態をも視野に入れた分析が不可欠であると思われるからである。
※本稿の執筆にあたって、諸県の地方課、人事課、および福島県内の町村長、自治体職員のご協力をいただいた。記して謝意を表したい。

 

 

 

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