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つぎに、県全体でくりひろげられている<1村1風運動>にも注目する必要がある。この運動は、県が始めた1村1品運動を広域レベルにまで拡大したもので、地域の伝統的な風土や風習など独自の地域特性を生かした風格ある地域づくりを目的にしている。こうした広域的な取り組みの単位として、「連合自治体」という言葉が用いられたのであるが、その内容が広域連合の考え方と一致していた。
その他、1村1品運動を通じて外国とローカル(自治体)外交を展開する中で、九州はアジア(東アジア)の中央部に位置することから、「九州・アジア圏経済構想」が生まれ、九州を中心にした<世界に向けた広域圏>という観点からの取り組みがされている。
(b)既存の広域機構の問題点
広域を単位とした地方分権の受け皿ないし枠組みとして、現行制度には広域市町村圏がある。大分県の広域行政機構の数は10で、その内訳は広域市町村圏事務組合7、広域市町村圏協議会2、広域連合1である。しかし、現行制度はすでに述べたように、自治省の要綱を根拠にしていて、その法的基盤が脆弱であるうえ、その現実的な運営でもいくつかの問題をかかえている。まず、非効率があげられる。大分県でも、多いところでは1つの広域圏市町村内に7つの事務組合があり、平均でも1広域圏当たり3.3となっている。一部事務組合の複合組合化もある程度は進んでいるが、1982年以降は新たに複合事務組合は生まれていない(図2−2、表2−3、参照)。
事業についてもゴミ・し尿処理施設、葬祭場、伝染病隔離病舎といった施設に固定化し、事務局体制(プロパー職員は1割程度で残りは出向)や財政基盤も弱く、さらに首長・議員・住民の広域行政への認識が不十分であるといわれている。こうしたなかで、県は「広域行政推進事業」という新規重点事業を1993年に策定し、広域市町村圏単位に一部事務組合の複合化を推進したが進捗しないため、広域連合制度の成立によりその活用へと方針を転換し、新規の一部事務組合設置は原則認めないことにし(これは自治省の方針でもある)、すべて広域連合で行く指導をしていく方針を打ち出した。
なお、広域行政の基礎となる道路整備の状況については、一般的にいって大分県は道路網整備が遅れ、目標として自動車で広域市町村圏域内30分、県内60分で行くことができるような道路建設計画を立てている。

 

 

 

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