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「産業廃棄物の最終処分は、市町村の行政区域を越えて行われているのが実態であるが、経済性、地域性及び緊急性等とを勘案すれば、一定の経済生活圏を単位として広域的な観点から、処理体系の整備を図る必要がある。そこで、各生活圏において発生した産業廃棄物を各生活圏で処分するとした場合、福岡、筑後及び筑豊生活圏において埋立処分量の不足が予測される。…(中略)…最終処分場の不足に的確に対応するためには、まず、廃棄物の資源化、減量化を推進し、併せて事業者及び処理業者において処理施設の適正整備を図るとともに、行政においては公共関与による施設整備を含め最終処分場の不足への対応方策を総合的に講じていく必要がある。」(第3次福岡県産業廃棄物処理計画書51頁) なお、この方針に基づいて、県と福岡都市圏で(財)福岡県環境保全分社を設立し、モデル事業として公共関与による産業廃棄物最終処分場の建設を進めている。 ?B産業廃棄物処理施設紛争予防条例 福岡県では、産業廃棄物処理施設の設置に際して、設置者と周辺住民との間にしばしば深刻な紛争が生じていることから、1990年7月、「福岡県産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例」を制定した。この条例は、「産業廃棄物処理施設の設置が周辺環境に及ぼす影響の調査及びこれに対する周辺住民の環境保全上の意見を求めるための手続その他意見の調整及びあっせんに関する事項」を定めることにより、「設置者の適正な施設設置計画の決定に資するとともに、紛争の予防及び公正な処理を図る」ことを目的としている(条例第1条。以下、1995年12月改正の条例による。)。こうした設置者・住民間の調整の手続を条例で定めている例は珍しい。条例制定の背景には、当時、処理施設建設に対して住民の反対運動が頻繁に起こっており、建設に対して住民等の同意をとるよう行政指導を行う、いわゆる「同意行政」の不備が明らかになったこと、県議会や市長会・町村会から強い要求があったことがあるという。 この条例の手続は、図1−3のとおりである。条例の手続は、設置者に環境調査書等の提出と周辺住民への周知を義務づけ、住民の意見と設置者の見解を出してもらったうえで、知事が意見の調整を行い、調整がつけば両者が協定を締結する、調整がつかない場合には、当事者が知事にあっせんの申請を行い、あっせんをしても紛争解決ができない場合には、知事はあっせんを打ち切る。これが条例のおおまかな流れといえる。
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