
5.7.4 財務分析の結果
(1)FIRR
前記の前提に基づき本プロジェクトなどのFIRR等を試算し、表5−13の結果を得た。なお、キャッシュフローの計算においては、計算期間30年。割引率10%の仮定により割引計算を行った。
表5−13 財務総合収益指標一覧

南ア国における財務的プロジェクト評価基準(The Central Economic Advisory Serbecesによる)ではFIRRとして10%以上としており、本ケースは収益性については低いものの、投資可能な水準にあると判断される。
(2)損益収支
前提とした借入金条件により、長期的益収支状況をシミュレーションすると、図5−19の様な損益変動が得られる。開業初年で減価償却後損益が黒字となり、損益収支的には極めて良好な結果となり、期待が持てる内容である。この大きな理由として営業収支が極めて優れている点が注目される。本路線の営業係数は、約60程度の水準であり鉄軌道事業の営業状況としては類のない水準にある。小規模な路線のため営業費が比教的小さいのに対し、需要量が相当に見込める(キロあたり15,000人弱)事が影響していると思われる。
また投資回収年教として14年という結果になっており、投資コストと営業収支のバランスが反映されている。長期的な資本リスクという点からも優れたプロジェクトという事ができる。
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