
道路交通を支障しない点では新交通システム・モノレールが優れているが、都市美観を損ね、日照を妨げる欠点がある他高架構造物建設のための投資は少なくない。
ケープタウン市の良く整備された広い道路と比較的混雑の少ない自動車交通事情を考慮すると、LRTの道路面運行には問題が少ないと判断される。更に人の生活にとけ込んだトランジットモールを形成し、弱者に優しく、乗って楽しい乗り物をの理念に合う交通機関として、又初期投資の少ない交通機関としてLRTが最も適していると判断される。
4.2 既計画ルート
4.2.1 一般的背景
ウォーターフロントはケープタウン市の都市再開発事業のひとつで、特に力を入れている大型プロジェクトの実施特定地域である。港湾地域にホテル、レストラン、ショッピングセンター、娯楽施設等を建設する計画であり、全体計画の約半分は完成し既に営業を行っている。同地域は市民や観光客が知心して憩い楽しめる地域として成功しており、年間約1,500万人が訪れている。
一方、既成市街地であるCBD地域は、交通拠点となるMetroの中央駅及びバスターミナルがあり、高層ビルが建ち並ぶ業務、商業の中心地域である。
ウォーターフロント、CBD地域間は現在バスによって運行されているが、ウォーターフロントの全施設完成後には、大幅な利用者の増加が予測されていることと合わせ、都市交通が道路交通に全て依存している現状等から軌道系公共交通機関、特にLRT導入の検討がなされている。
4.2.2 既計画の評価
LRTの既計画ルートは図4−1に示すとおりである。中央駅付近を起点として既成市街地及び湾岸地域を経由してウォーターフロントの開発地域に至る
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