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セネガル
 
(1)一般事情
 
セネガルは、アフリカ大陸の最西端に位置し、北はモーリタニア、東はマリ、南はギニア及びポルトガル領ギニアとそれぞれ国境を接している。
面積は、わが国の本州よりやや小さく(約20万平方キロ)、人口は約627万人(84年推定)で、その約90%は回教徒である。
言語は、フランス語が公用語であるが、総人口の約36%を占めるウオロフ族など、それぞれの種族が独自の言語を日常使用している。
人口の約70%は農牧業に従事し、農業部門の国内総生産(GDP)への寄与率は33%を占め、全輸出収入の約50%は農産物である。
セネガルは従来から、落花生モノカルチャー農業国として知られ、落花生の栽培は84年現在、全農耕地の40%以上にわたって行われている。
近年、燐鉱石及び燐酸塩、魚類(缶詰を含む)などの輸出が増大しているが、セネガル経済の落花生への依存度は依然として極めて大きい。
セネガルにおける農業の中心は、米、粟、とうもろこしなどの穀物と、外貨獲得源の落花生と綿花である。
旱魃など天候不順による穀物生産の低下による国内食糧不足を補うため、84年には約30万トンの米及び小麦を輸入している。
政府は、農業の多様化、食糧の自給自足を図るため、EEC基金の援助で米作付面積の拡大、家畜の増加、水資源の開発と灌概計画に力を入れている。
落花生の生産は、82年の約110万トンをピークとし、84年には僅か59万トンの収獲に過ぎなかったが、世界落花生価格の高謄により相殺され、84年の落花生輸出収入は548億CFAフラン(前年558億CFAフラン)に達した(1,000CFAフラン≒2.07米ドル)。84/85年度の穀物不足は、前年度の不足を更に15万トンも上廻ったものと推定される。
牧畜は、家畜飼育頭数(84年)が牛225万頭、羊315万頭、豚15万
 

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