日本財団 図書館


よってロシアに割譲され、帝政ロシア皇子の自治領となった。
ロシア革命後の1917年12月6日、フィンランドは独立を宣言し、ロシア共産軍は1920年までに国外へ追放された。
その後、ソ連はフィンランドに対し領土の割譲を要求したが、フィンランドはソ連の要求を拒絶した。
その結果、1939年11月30日にソ連軍はフィンランドに侵入した。
1940年3月21日の平和条約により、フィンランドはカレリア地方を含む32,806平方キロの領土をソ連に対し、余儀なく割譲することになった。
1941年6月1日、ドイツがソ連を攻撃したため、フィンランドは再びソ連との戦争に巻き込まれた。
1944年9月19日、ソ連の首都モスクワで休戦条約に調印し、フィンランドは1940年の領土割譲に加え、更にペツアモ地方(42,934平方キロ)をソ連に譲渡することに同意した。
その後、1947年2月10日パリで平和条約に調印した。
フィンランドは、ソ連から工業製品を中心とする賠償もとられた(全賠償物資の72%が金属、機械工業製品であった)。
しかし、これを契機として、フィンランドは金属機械工業、造船業が著しく成長し、今日の大きな発展を遂げたのである。
わが国との関係は、1924年に締結した「日本国・フィンランド国間通商航海条約」が、1952年4月の交換公文でその効力が確認され、今日に至っている。
1972年には租税条約、1978年には文化協定、1981年には航空協定が、両国間で締結されている。
貿易関係では、第2次大戦前はパルプの輸入で、わが国の入超に終始、戦後も暫くはこの傾向が続いたが、その後はパルプの輸入が大幅に減少したため、自動車、電気機器などを中心としたわが国の大幅出超が続いている。
 
 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION