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(4)造船事情
ノルウェーは、1970年代には欧州で5指に数えられる程の造船国で、世界新造商船の3〜4%、西欧諸国の10%前後の建造シェア(G/Tべ一ス)を確保していたが、1980年の初頭以降世界の商船建造市場における地位は急速に低下し、1989年の建造量は僅か48,300G/Tに落ち込み、その後やや回復し、93年には160,900G/T(全世界建造量の0.8%)となっている。
建造量で見る限り、ノルウェーは世界の造船国の中で商船建造国としての地位を失ったといえる。
現在の建造設備能力(1万DWT以上の船舶)は、Aukra Industrier A/S造船所は最大2万DWTの船台、Sovikes Verft A/S 造船所は最大1万DWTの船台、Sterkoder A/S造船所は最大2万DWTの船台を有しているが、実際に国外の造船所と比較して競争力のある商船は、最大1万G/Tのケミカル・タンカー、ガス・タンカーなどであり、これ以外では国外へ発注するまでもない一般貨物船、バラ積船、オイル・タンカー、港湾船、漁船などである。
1993年のノルウェー造船業の新規受注量は、26隻、181,752G/Tであり、同年の竣工量は37隻、160,899G/Tとなっている。1993年の新規受注を船種別に見ると、貨物船5隻(32,890G/T)、バラ積船2隻(19,400G/T)、オイル・タンカー2隻(46,000G/T)、その他17隻(83,462G/T)で、合計26隻(181,752G/T)である。
 

新造船受注量の推移

 
 

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