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能、経済性などについて、わが国の造船技術の有利な点をPRし、船主と直接接触できる機会を得ることが取引きへのルートになる。
(7)競争相手国との競争条件の比較
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
ポルトガル海運界で現在稼動している輸入船の建造国は、英国、西独、日本、イタリア、オランダ、フランス、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ブラジル、香港など、極めて多岐にわたっている。
わが国が輸出したタンカー、貨物船などの主要競争相手国は、西独、英国、デンマーク、オランダ、イタリア、ベルギー、ノルウェー、スウェーデンなどであるが、延払いの点では各国間に差異はなく、品質の点でも各国とも多年の経験や実績があり、いずれと比較しても優劣の差は殆どない。船価については、これらの造船国と比べ、わが国は円高が著しく高進すると割高になり、不利である。
その他、バルク・キャリア、冷凍船、コンテナ船などを西独、ブラジル、香港などから購入しているが、船価、延払いの点で香港が優位になっている。
(B)輸出対策
ポルトガルは、その国情からして重要部門への外資の導入には、厳しい規制を設けている。従って、競争相手国は手広い範囲にわたる資本進出などによる地盤構築を避けて、直接に海運部門と接触して、各種の輸出対策を講じている。
各国は、国情を異にしても風土、習慣、風俗などの点で、それぞれ大なり小なり共通点を有しているので、船舶の設計、性能、その他の点で、ポルトガル側の希望する点を熟知し、理解しているので、万事に有利である。
ベルギーが輸出実績の過半を客船で占めたり、英国が実績の大半を貨物船で占めているなどは、それぞれポルトガル側が使用するに当り十分満足するよう配慮していることによる成功例である。
(C)ポルトガルに対する歴史的、経済的なつながり
ポルトガルは、12世紀(1143年)に初代国王のアルフォンソン一世が独立王国
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