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ポルトガル
 
(1)一 般 事 情
ポルトガルは伝統的な農業国であり、農産物の輸出に占める割合は極めて大きい。
しかし、74年革命直後の土地所有者制度の改革により、農業生産は大打撃を受け、基礎食料品の50〜75%を輸入に依存する結果となっている。
国内総生産(GDP)に占める農業(林漁業を含む)のシェアは、70年の15.8%から89年には9.0%へ縮小すると共に、就業人口に占めるシェアも70年の29.9%から83年は23.6%、89年には18.9%に激減している。
耕作地と耕作可能地を合わせると、国士面積(アソーレスおよびマディラ諸島を除く)の60%を占め、主として小麦、とうもろこし、じゃがいも、ワイン用ぶどう等が生産されている。農業の生産性は、就業者1人当りでみても耕地面積当りでみても、西欧諸国の中では最低である。
その理由として、(1)農地・生産資材などが合理的に活用されていない、(2)農業技術の遅れ、(3)特に、北部に集中している零細土地所有農家の近代化が経済的に不可能、(4)74年のクーデター以降の農地改革の行き詰まり、(5)降雨量が毎年大きく相違する等が指摘されている。

産業別就業人口

 

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