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(c) 需要状況
上述の商船隊再編成計画は、スペイン籍船の体質強化と競争力増強に特に力を入れたものであり、各種の輸送需要に適合できるよう船隊の革新・調整を行なうことを奨励している。
このため、前年に続いて89〜90年においても、オイル・タンカー4隻(11,942G/T)、オイル・ケミカル・タンカー1隻(1,976G/T)、液化ガス・タンカー4隻(8,496G/T)、冷凍船5隻(2,645G/T)、コンテナ船2隻(5,179G/T)、鉱石兼バラ積船5隻(105,014G/T)、一般貨物船20隻(45,160G/T)、漁工船1隻(1,253G/T)、その他雑船などが過剰船腹として売却、もしくは老朽船として解体された。
また、一方では新鋭のケミカル・タンカー2隻(6,964G/T)、Ro/Ro貨物船5隻(11,245G/T)、客船9隻(7,916G/T)、一般貨物バージ3隻(2,818G/T)、漁船26隻(7,697G/T)、その他雑船が増強された。
なお、スペイン商船隊は老令船が多数あるので、これらの代替需要は今後とも続くものと予想される。
(D) 船腹拡充計画
スペイン籍の商船隊は、1980年の2,767隻(8,112,245G/T)から年々縮小し、90年には2,338隻(3,807,103G/T)となり、この10年間に429隻(4,305,142G/T)も減少しており、特にタンカーと一般貨物船および冷凍船、バラ積船などが大きく減少した。
このような海運低下の事態に直面して、政府は商船隊5カ年計画(1986〜91年)を実施し、海運業の更生、競争力の強化を図るため、タンカーなど過剰船腹の売却、老令船の解撤への助成、代替船の国内建造への特別融資、技術革新のための投資などを行なっており、自国商船隊の質的向上に努力している。
(3) 港湾事情
スペインは、北は大西洋、南は地中海に面し、長い海岸線に約50の港湾があるが、
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