保有船腹量の推移

(B)海運事情と保有船主の実態

イタリア海運の大きな特徴は、産業復輿公社IRI（Instituto per Riconstruzione Industriale）傘下のＦinmareグループ、国営石油企業ＥＮＩグループ、更にはイタリア国鉄といった準国営の海運企業と完全な民間海運企業とに大別されることである。

現在、国有海運はイタリア商船隊の約3分の1を占めているといわれている。これらの企業は、国営企業の貨物を優先して輸送することが可能であるため、海運市況の悪化においても比較的に経営が安定している。

例えば、Ｓidermar社は、ＩＲＩの傘下にある鉄鋼企業Italsider社のために原燃料の輸入と半製品・鉄鋼製品の輸出に従事し、相当の利益をあげている。

これら国有海運に比べると、民間海運企業は、政府助成が国有企業、特に特定企業に集中して行なわれているため、業績は良くない。

Ｆinmareは、イタリア主要船会社の株式を引受ける目的で設立され、グループ