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(C)輸入資金の調達状況
船舶は自由品目であり、その輸入には何らの規制もなく、また、為替管理もないので、外為銀行を通じて自由に為替取引きを行うことができる。
従って、輸入価格に相当する自己資金があれば、輸入支払いに必要な外貨の調達は、事務的処理によって円滑に行われる。
(D)契約条件
契約条件のうち、支払いについては、最近の傾向は現金払いか、頭金30%、残り70%を7年の延払いというケースが多い。
問題は、船価、納期などを国内発注の場合と比べ、船主にとって有利な条件とすることである。
(E)取引ルート
ドイツは、世界でも有数の強大な造船国であり、また船舶輸出国でもある。
従って、ドイツ船主が優れた技術を有する国内造船所に発注せず、海外から新造船を購入するのは、船価、納期、運営上便宜置籍船にするような場合など、種々の問題を十分検討した上での発注であり、従って内外の船舶事情には精通している。
また、その取引きも、仲介を通すことなく直接に相手造船所に打診して交渉を進めることが多い。
それ故、常に船主との接触を図り、船主の関心を引くような情報を提供し、認識を深めさせるよう適切なPRすることが、取引へのルートと考えられる。
 
(7)競争相手国との競争条件の比較
 
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
現在、ドイツの海運界で稼働している各種船舶は、国内建造船が大部分を占めているがオランダをはじめ、日本、ノルウェー、スウェーデン、英国、ベルギー、フィンランド、デンマークなど外国からの輸入船もかなりある。
船種も、タンカー、一般貨物船、コンテナ船、その他多種類にわたっているが、
 
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