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漁船の船齢構成をみると、ドイツ漁船の船齢は、15年を超えているものが多い。例えば、Deutsche Fichfang Union社の保有漁船10隻(18,752G/T)のうち、6隻は船齢20年〜27年、3隻は15年に達しており、残る1隻だけが90年に代替建造の新造船である。
ドイツでは一般に物を大切に使用するという習慣に加えて、漁船で進歩しているのは航海計器や艤装品、主機関が主であり、船殻自体の形状は変更する必要がないことに要因があると言われている。
(C)漁業開発計画
過去10年間(82年〜91年)におげるドイツ漁船(100G/T以上の鋼造船)の船腹量の推移をみると、新造、中古船購入、改造、売却、解撤、事故による喪失などにより、最終的には隻数で23.2%(62隻)減少し、総トン数では43.1%(107.3千G/T)と大幅に減少している。
この事実は、82年以降大型漁船が解撤または売却され、小型船に代替されてきたことを意味する。
漁業開発については、政府は漁港の開発援助、漁船の近代化あるいは養殖などによる資金援助、市場の開発及び関連企業の育成などに力を入れているが、船腹量の増加については、従来EC委員会を通じて行われた各国の漁業者に対する補助金(各国政府が認めた適格投資物件に対し、原価の25%直接補助)と同様に、船腹量の増加に対しては厳しく、主として代替船あるいは漁船の近代化に対してのみ運用されている程度であり、ドイツ政府の具体的な期限付きの漁業振興計画は発表されていない。
 
(6)船舶の輪入ルート
 
(A)ライセンス発給機関
ドイツの対外取引きは、基本的には自由とされているが、その取引きが国民経済の特定分野に大きな影響を及ぼす場合は、その品目には輸入許可が必要である。
輸入ライセンスは、一般に食料及び農産物以外の品目については、連邦産業庁
 
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