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英国の外国貿易は、伝統的に輸出は工業製品(半製品及び完成品)、輸入は食料及び基礎原料である。
英国の貿易相手国は先進国が主であり、対先進国貿易は増加しつつある。70年に輸出入の73%を占めた対先進国貿易は90年には輸出の81%、輸入の86%に増加したのに対し、非産油発展途上国との貿易は70年に輸出の17%、輸入の15%であったが、90年には双方ともに11%に低下、対EC貿易は英国がECに加盟した72年に3分の1のシェアであったものが、90年は53%のシェアに増大し、92年のEC市場統合とともに一層の拡大が期待されている。
これに対し、石油輸出国は、70年代の所得増大によって、80年代初めには英国の輸出の12%を占めていたが、その後の原油価格引き下げによる輸入吸収力の低下から、90年にはシェアは5%に激減した一方、英国の石油輸出国からの輸入シェアは70年代の10%が、英国の石油自給達成とともに、90年には2%以下に減少した。
90年の英国の貿易収支は、輸出が前年比10.6%増と2年連続して2ケタの伸び率となったのに対し、輸入は3.7%の低い伸びにとどまったため、赤字幅は222億5,500万ポンドに縮小した。
この赤字幅改善の主な要因としては、原油価格上昇により、燃料輸出が大幅に増加したこと、及び英国の景気低迷による需要減少により輸入が伸び悩んだこと、などが挙げられる。
 
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