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英    国

 
(1)一般事情
 
英国は、国土面積24.3万平方キロ(日本の約66%)と狭く、また人口(90年央現在5,741万人)も世界人口の僅か1%程度を占めるに過ぎない国であるが、貿易国としては世界第5位にランクされている。
農業は、英国における最も重要な産業のひとつであり、農産品の自給率は1960年代には約46%であったが、90年に60%近くに達し、輸入総額に占める食料品の割合は70年代の25%が、90年には8.3%と著しく減少した。
農業部門の就業人口は約52万人(91年央現在)で、就業人口全体の2.1%を占め、国内総生産(GDP)への寄与率は1.4%に達している。
専業農家のうち約60%は酪農、食牛飼育、養羊であり、6分の1が畑作、残りの20%が養豚、養鶏、園芸あるいは混合農家である。
英国の農産品は、従来から技術革新、機械化によって効率的な農場経営を展開してきたため、輸出競争力は強いが、ECの共通農業政策による支持価格のため、EC域内における競争力が低下Lていること、及び英国の分担金が他国(特にフランス)農産品の補助金として使用されていることから、現在でもEC加盟反対を唱える声が強い。
英国で必要とする工業用原材料の多くは輸入に依存しているなかで、非エネルギー鉱物の生産は、英国経済に対し重要な貢献をしている。石炭、原油、天然ガスなどのエネルギー鉱物を除くと、砂利、石灰石、陶土、火成岩、鉄鉱石、白亜などが産出され、特に建設用砂岩、砂利などの生産が盛んである。
製造業は、90年には就業人口全体の2.11%を占め、GDPへの寄与率は23%に達している。また、完成品・半製品の輸出総額に占める割合は75%に達している。
製造業に属する大企業の55%は機械、金属、自動車部門であり、民間100大企業における従業員数は全体の34%を吸収している。
製造業の業種別内訳を生産規模でみると、最大の産業は食品・飲料・タバコ部門
 
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