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ベルギーの化学工業は、古くから発展を遂げ、無機化学部門ではアルカリ、硫酸、炭酸塩、重炭酸ソーダ、苛性カリ、塩化カルシウム、次亜塩素塩など、化学肥料部門ではリン肥料、混合肥料など、有機化学部門ではメタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、ナフタリン、油脂、染料、洗剤、プラスチックなどが生産されている。
石油化学部では、第2次大戦後に急速に発展した部門で、アントワープ及び北海沿岸に集中している。
その他、医薬品、火薬、感光剤、顔料などが生産され化学品の生産は国内需要を上回っており、重要な輸出品となっている。
繊維工業もベルギーの古くから発達した工業で、綿、毛織物、麻、ジュート、化学繊維などの紡績、織布、縫製まで多様な工業が発達している。特に、麻織物、毛織物、カーペットなどが世界的に有名である。
ベルギーの繊維工業は、それに従事する労働者数(91年で約9万人)の点からも、また輸出額の点からも重要である。
ベルギーの機械工業は、豊富な鉄鋼を素材とした鉄道車輌、重電機器、兵器などが古くから発達し、重要な部門であるが、その他の部門においては、その発達を外資系企業によるものが多い。
自動車工業には、米国系、フランス系、スウェーデン系などの大規模な工場があるが、民族系のメーカーは存在しない。電子工業は、米国、オランダ、ドイツなどの進出が目立っている。
石油工業は、アントワープ周辺に近年急速に発展し、石油化学コンビナートが形成されている。その他、ガラス工業やセメント工業も大きな比重を占め、特に板ガラスについて
 
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