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ルーマニア



(1)一般事情



ルーマニアは、欧州の東南部に位置し、北および東はウクライナ、北東はモルドバ、北西はハンガリー、南西は旧ユーゴスラビア、南はブルガリアと、それぞれ国境を接し、東南は黒海に面している。

国土面積は237,500平方km(91,699平方マイル)で、九州を除いた日本の面積にほぼ等しい。

人口は92年1月現在2,276万人で、人口密度は1平方kmに付き95.8人となっている。首都をブカレスト(人口206万人)に置く。

全人口のうち、ルーマニア人が1,770万人、ハンガリー人が250万人、ジプシーが230万人、ドイツ人が20万人、ユダヤ人が3万人、その他が3万人居住している。

ドナウ川の下流にあって、黒海に面したルーマニアは、スラブ系民族の多いバルカン半島諸国の中では、唯」のラテン系民族(ルーマニア人種)の国である。

気候は、首都ブカレストの冬1月の平均気温が27°F(一2.7℃)、夏7月の平均気温が74°F(23.5℃)で、年間降水量は15インチ(371mm)である。言語は、ルーマニア語(ラテン語系のロマンス語)が公用語であるが、少数民族がハンガリー語、ドイツ語およびその他の言語を日常使用している。

宗教は、住民の殆ど全てがキリスト教の信奉者であり、その80%はローマ正教派に属している。

国土の中央部をカルパート・トランシルバニア山脈が走り、ドナウ川の下流にワラキア平原が開けており、ウクライナから続く欧州の穀倉地帯となっている。

全土の44%は耕地で、全人口の14.5%(91年)が農業に従事している。

ルーマニアは、第2次大戦前は典型的な農業国であったが、戦後は集団化、機械化を早くから導入し、小麦、大麦、ライ麦、とうもろこしなどの生産と牧畜の混合農業が盛んである。

このほか、亜麻、果実、甜菜などを大量に産出する。

工業では、大戦後の低い経済水準から社会主義化へ歩んだため、工業成長率は





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