ポーランド
(1)一般事情
ポーランドは、東欧の北部に位置し、北はバルト海に面し、北東はリトアニア、東はベラルーシ、東南はウクライナ、西はドイツ、南は旧チェコスロバキアと国境を接している。
国土面積は312,683平方km(日本の0.83倍)、人口は92年末現在約3,842万人である。首都をワルシャワ(人口約165万人)に置く。
国土は北から南に向って徐々に高くなっているが、大部分は低地である。北部はバルト海岸地帯で、湖沼や砂丘の多い地方である。中央部は海抜100mから130m程度の平原である。南部はカルパチア山脈やズデーテン山脈に連なる丘陵が多い。
主要な河川は、南部の山岳から北部のバルト海に注ぐビスラ川とオドラ川である。
気候は、バルト海およびカルパチア山脈の影響を受けて、降水量は少なく、雪も多くないが、冬季の気温は0℃以下となり、2〜3ヵ月凍結する河川もある。首都ワルシャワの気温は、1月平均が25°F(−3.9℃)、7月平均が660°F(18.9℃)、降水量は年間550mmである。
人口の約98%がポーランド人から成る単一民族国家であり、少数民族としてウクライナ人、リトアニア人、ベラルーシ人、ユダヤ人などが居住している。
なお、国内のポーランド人のほか、海外に居住するポーランド系移民は千数百万人といわれ、このうち840万人が米国に、80万人がブラジル、75万人がフランスに居住している(ロシアには250万人以上のポーランド系移民が居住しているといわれているが、実態は明らかでない)。
ポーランド人は、9世紀の中頃ビスラ川とオドラ川との中間地帯に居住していた西スラブ系の一族ポラニア(Polanie)の子孫といわれている。
言語は、西スラブ語のポーランド語が唯一の公用語であり、これはチェコ語、スロバキア語などと同系である。また、国内では少数民族がドイツ語を日常使用している。
ポーランドは、国民の90%がカトリック教徒である。亡国の時代を経験したポー