ハンガリー経済にとって観光産業は極めて重要であり、観光収入は年間総額20億〜23億ドルに達していると推定されており、91年GDPの10%にも及んでいる。
観光産業は、国際収支の一つの大きな黒字要因となっており、その取得外貨はハンガリーの対外債務の利子支払い分に相当し、国際収支の安定化に貢献している。
観光産業に従事している就業者数も25万人を超えており、この数字は今後さらに増大するといわれている。それは外人観光客が増加傾向にあるためで、ドイツおよびオーストリアからの観光客が大幅に増加している。
首都ブタペストは、“東欧のパリ”といわれ、魅力的な大都市であるが、このほか多数の温泉地がある。政府は中長期の観点に立って、観光産業の発展を計画しているが、1996年に万国博覧会がブタペストで開催されることが決定しており、万博開催がハンガリー観光産業の大きな発展の機会となることが期待されている。