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工業部門(製造業、鉱業および電力を含む)は、1992年に労働人口の36.9%(90年は31.5%)を雇用し、GDPへの寄与率は39.2%(90年は36.0%)に達した。

1980〜90年の期間に工業生産は、年平均0.5%の減少を示した。1990年の工業生産は、前年に比ぺ6.8%減少した。

製造業部門の主要分野は、工学機械および化学品であり、この分野は91年にGDPの25.9%を占めた。機械工業は88年に工業生産の25%を占めた。化学工業は87年に全工業生産の20%を占め、化学工業生産の3分の1以上が論出に向けられた。1990年における製造業の生産は、8.4%の減少となった。

ハンガリーの工業生産は、特に旧ソ連・東欧市場経済崩壊の影響を受けて不況に追い込まれ、減産状態が続いている。

40年に亘る社会主義政権下における重化学工業化優先とコメコン分業化における無競争状態により、特に重化学工業の設備の老朽化が問題化しており、その整備と再建に膨大な費用と時間を必要とするため、市場経済化の過程において、これをいかに再編するかが重要な課題となっている。

鉱業部門は、91年にGDPの3.0%を占めている。

ハンガリーで最も重要な鉱物資源は、ボーキサイト(91年の生産高は200万トン)および褐炭(同約1,000万トン)である。亜炭および硬質石炭の埋蔵もある。

比較的豊富な埋蔵量が知られているのは、アルミ原料のボーキサイトぐらいで、鉄、非鉄金属とも極く僅かな埋蔵量が確認されているだけであり、ハンガリーは鉱物資源には恵まれていない。また、エネルギー資源も自給自足には道かに及ばない。

ハンガリーは、エネルギー資源に乏しく、89年には国内エネルギー需要の約50%を値ソ連から輸入の石油、天然ガス、電力に依存していた。





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