一方、輸出でも殆どの国が減少したが、対米輸出は2倍以上の伸びを示した。
その他諸国との貿易では、リビア向け輸出がZ3倍増加したのに比べ輸入は僅かに減少した。イラクは経済制裁の影響で、輸出83%減、輸入44%城となった。外交関係が好転したトルコは輸出が4倍増加した。
90年の貿易が極端に落ち込んだ原因は、ブルガリア経済の不振(生産停滞)、外貨不足、コメコン諸国の経済不振などが挙げられている。
ブルガリア経済は、80年代の末頃から90年代の初期にかけて深刻な不況となった。90年には、国内総生産(GDP)は前年比玉3.6%減と大幅に低下した。経済部門の殆ど全ての生産は停滞した。
91年度国家予算は、歳入629億6,700万レバに対し、歳出が704億7,700万レバで、75億1,000万レバの赤字となった。
対外債務総額は、91年央現在で約108億レバに達している。
インフレ率は、80年代初期には年率1%以下に過ぎなかったが91年現在60%と急増している。特に小売価格は驚異的な比率で高騰し、食料品および燃料の不足が一般化して基礎的生活必需品の配給制度が導入されている。
91年12月末現在の登録失業者数は402,065人に増加している。
ブルガリアは、黒海沿岸の行楽地、明媚な山岳風景、史跡など観光資源に富んでおり、外国からの訪問者が多く、90年の観光収入はブルガリアの外貨収入総額の10%を占めている。外国からの訪問者数は、89年の822万人から90年は1,033万人に増加している。観光事業に従事している国営企業の多くは、民営化されつつある。