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(E)取引ルート

オーストリアにおける取引きは、通常、輸入業者または代理店を通じて行われているので、オーストリアの船舶事情や運輸業務に精通している輸入業者と接触する機会をつくることが取引へのルートになる。



(7)競争相手国との競争条件の比較



(A)延払い、船価、品質等条件の比較

オーストリアの保有船舶は、国内建造船または旧西独、イタリアなどからの輸入船舶であるが、いずれも一般の中小型船である。

従って、品質については各国とも大差はない。

ドイツ及びイタリアは、西欧先進国の中でも、オーストリアとは輸出入貿易の分野で、特に緊密な関係にあるので、支払い条件や船価については、オーストリアに協力的な立場をとるため両者間に大きな開きはない。



(B)輸出対策

オーストリアは、国内工業の技術水準と生産能力の向上によって、貿易の拡大、輸出の振興を図っているので、ドイツを始め欧州の先進競争相手国は、自国の優れた技術やパテントのオーストリア向け輸出に力を入れている。

このように、自国の技術を通じてオーストリア工業の発展を助け、これを基盤として白国工業との関連性を深め、更に自国の輸出拡大を図るため、投資や技術協力を行っている。



(C)歴史的、経済的なつながり

オーストリアは、第2次世界大戦中は隣国ドイツに合併(1938年)されていたため、枢軸側に立って連合国と交戦状態にあったが、敗戦後は1945年から1955年の国家条約の成立までの10年間、米国、英国、フランス、旧ソ連の連合国の共同統治の下に置かれた。

1955年5月オーストリアと連合国との間で、国家条約(講和条約)が締結され、同





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