自動車工業については、中国政府は自動車の国産化、将来的には輸出産業として育成するため、自動車工業の発展に力を入れているが、生産の殆どはトラックである。 化学工業では、特に化学肥料、化学農薬、硫酸、ソーダ灰などの化学原料の生産が高い伸びを示している。 建材工業では、特にセメントが2億4,800万トン(91年)と、世界第1位の生産量を誇っている。また、板ガラスも増産しており、衛生陶器、煉瓦、新建材なども大きな伸びを示している。 紡織工業では、化繊の生産が急速に伸びており、輸出産業として成長している。 食品工業は、1950年代には工業全体の30%程度を占める基幹産業であった。現在、そのウエイトは低下しているが、重要産業であることにかわりはなく、中でもビールは日本など外国との技術協力が進み、大幅に増産している。 電力工業は、電力不足が中国経済の最大の障害となっている。各地で大型発電所が建設され、91年の発電量は6,750億kWhと急速な伸びを示しているが、工業生産の伸びに追いつかないのが現状である。 現在、火力発電と水力発電の比率は約4:1となっている。将来的には水力発電を主力とする計画であるが、短期的には工期が短く、経費が安い火力発電の建設に力を入れている。 原子力発電も建設を進めている。
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