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 中国の製造業は、政府の経済調整政策により、従来の重工業偏重から軽工業にも力を入れるようになり、近年は比較的バランスのとれた発展がみられるようになった。
 最近重視されている部門は、食料加工産業、家電産業、自動車産業など消費財産業のほか、重工業では建築材料産業などである。
 なお、全体としては加工工業に比べ原材料工業の立ち遅れが目立っている。
 最近の中国では、工業生産の高い伸び率が特徴となっており、電力産業、農業関連工業の発展が特に目覚ましく、鉄鋼、非鉄金属、化学工業原料などの基幹工業も発展している。また、耐久消費財の生産も高まっている。しかし、依然として電力などのエネルギー、一部原材料は不足状態にある。
 冶金工業は、原材料工業が重視される中で比較的大きな発展を遂げているが、需要を満たすまでにいたっていない。
 鉄鋼工業は、上海宝山製鉄所が本格的に生産を開始したのをはじめ、既存設備の技術改善、拡張などによって生産は伸び、89年6,200万トン、90年6,600万トン、91年7,100万トンと、粗鋼生産計画目標の6,000万トンを大きく上回っている。
 しかし、品質の点で未だ問題があり、比較的技術水準の高いシームレスパイプなど多くの品種で、大量の輸入を行っている。
 非鉄金属工業は、鉄鋼生産を上回る高い伸びをみせている。
 非鉄資源が豊富でありながら、アルミ、銅などを大量に輸入していることから、各地で大型工場が相次いで建設されている。
 電子工業では、コンピューター、集積回路(lC)など電子部品が大幅に増産している。
 テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品も、国民の消費意欲の高まりの中で生産を伸ばし、品質の管理も重視されるようになった。

 

 

 

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