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世銀の調査によると、1991年における中国の国民総生産(GNP)は、1989〜91年の平均価格で算定すると、4,240億1,200万米ドルであり、一人当り約370ドルに相当する。
 1980〜91年の期間に、GNPは年平均9.4%(実質)の割合で増加した。この伸び率は世界でも最高の成長率である。一方、国民一人当りのGNPは7.8%の増加となった。
 この期間(80〜91年)の人口は、年平均1.5%の割合で増加している。
 1991年におけるGNPは、前年に比べ実質で7%の成長を遂げた。
 中国の国内総生産(GDP)は、1980〜90年の期間に平均年率9.5%(実質)の割合で増加した。
 1992年におけるGDPは、前年に比べ実質12%増と推定されている。
 農業部門(林・漁業を含む)は、1990年にGDPの27%を占めた。
 農業生産は、1980〜90年に平均年率6.1%の割合で増加した。1991年には、大洪水にもかかわらず、前年に比べ3%増加した。全労働力の約60%(90年)が農業部門に従事している。
 主要農作物は、米(90年の収穫量は世界全体の36%)、甘薯、小麦、とうもろこし、大豆、砂糖きび、たばこ、綿、黄麻などである。
 91年の穀物の収穫量は、前年の記録的な4億4,624万トンから4億3,524万トンに減少したが、92年は4億4,250万トンと推定され、増加傾向にある。
 中国でいう広義の農業は、農業、林業、牧畜業、副業、漁業などを含み、このうち農業の比重は徐々に低下してきている。これに対し、副業の比重は、農村工業の生産増大を反映し上昇している。
 現在、中国では長期的課題として、経済作物や林業、牧畜業、副業、漁業などの生産拡大を通じて農業生産構造の調整を図り、経済効果の高い農業の実現を目指している。
 中国農業の主体は食糧作物(米、小麦、とうもろこし、高梁、甘薯、馬鈴薯、大豆など)であり、米が収穫全体の半分以上を占めている。
 耕地は国土面積の12%と小さいが、多毛作の可能な位置にあることも幸いして、自給自足に十分な収穫をあげている(約4億トン)。

 

 

 

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