アルゼンチンの製造工業は、20世紀に入って、農畜産物の加工業から出発し、畜産加工業・繊維・皮革工業が中心であった。第2次大戦後、欧米資本による自動車工業、家電工業などが進出した。このほか、石油化学、鉄鋼、輸送機器、紙・パルプ工業などが今後発展の可能性が高い。
しかし、国内市場の規模が狭小であること、国際競争力が弱いこと、工業用原材料の輸入依存度が高いこと、および政情不安などが工業部門の成長を妨げてきた。
このため、政府は工業振興法、新外資法、および外国技術移転法の制定など、相次いで積極策を導入して、製造工業の近代化・発展に力を入れている。
製造業は、1990年にGDPの40%を寄与しており、労働力の約20%がこの部門に従事している。
製造業のうちで最も重要な分野は、生産価値からみると、食料製品、化学製品、輸送機器、紙などである。
1980〜89年の期間に、製造業のGDPは年平均0.6%の割合で減少している。