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 パンパ平原の西部地方は年間雨量500?で、小麦の主要産地となっている。
 小麦は1月〜2月に収穫され、欧州の9月〜10月の収穫期と異なるので、重要視されている。
 パンパに網のように布敷された鉄道網は、南米第1であり、小麦と牛の輸送に役だち、輸出の最盛期にはブエノスアイレス港が混雑するので、バイア・ブランカ(人口26万人)を補助港として、海外へ輸出している。
 ブエノスアイレス〜ロサリオ(人口110万人)間は、とうもろこしの大産地で、年間1,000万トン(1992年)を生産し、牛の飼料となるほか、ロサリオ港などから海外へ大量に輸出しており、輸出量は米国に次いでいる。
 また、湿潤温暖なパンパ地方は、世界的穀倉地帯であるほか、パンパ全域にわたって、亜麻やアルファルファが栽培されている。
 亜麻は、実から亜麻油を生産するので、亜麻仁(亜麻の実)が輸出されている。
 アルファルファは、パンパ地方で広く栽培されている牧草で、牛や羊の飼料として重要である。
 世銀(世界銀行)の推定によると、1991年におけるアルゼンチンの国民総生産(GNP)は、1989〜91年の平均価格で算定すると912億1,100万米ドルであり、国民一人当り2,780米ドルに相当する。
 この期間(1989〜91年)に、アルゼンチンの人口は年平均1.3%の割合で増加している。一方、国内総生産(GDP)は購買者価格で算定すると、実質で年平均0.4%の減少となっている。
 農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1991年にはGDPの15%を寄与し、1992年には労働力の約9.9%がこの部門に従事している。
 アルゼンチンの主要換金作物は、小麦、とうもろこし、ソルガム、大豆などである。
 食用牛の生産も極めて重要である。
 1980〜91年の期間に、農業部門のGDPは年平均1.5%の割合で増加した。

 

 

 

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