日本財団 図書館


 礎石油化学製品のうち一部品目の生産を民間企業にも許可することを決定した。これにより、Pemexと民間(外資も含む)との合弁が可能となり、89〜95年にかけての投資額は59億ドルが見込まれている。また、同期缶に92億ドルの輸出、97億ドルの輸入代替効果が生じると算定されている。
 メキシコは、OPEC(石油輸出国機構)には加盟していないが、輸出政策に関してはOPECの政策に協力している。
 メキシコの原油価格は、従来よりメキシコ湾岸渡しで中東産油国と競争し得るレベルに設定されており、この統一価格(FOB)をすべての輸出相手国に適用してきたが、国際石油市場の需給緩和を背景に1985年からは、地域ごとの市場実勢などを勘案した価格政策を打ち出した。90年現在の極東向け平均価格は、軽質油原油が14.95ドル/バレル、重質油原油は11.95ドル/バレルとなっている。
 メキシコ政府は、中米・カリブ諸国を始めとした「第三世界諸国」に対しては、政治的な手厚い輸出政策をとっている。
 メキシコの工業は、第2次世界大戦で工業製品の先進国からの輸入が困難になったことを契機として発達し始めたもので、その後は輸入代替を目的として「新規および必要産業助成法」その他諸法令の定める租税、金融上の優遇措置と貿易政策による外国競合製品からの手厚い保護により順調に発展してきた。
 事実、大戦後におけるメキシコ工業の発展は目覚ましく、積極的工業化政策により、軽工業の分野では量的にはほぼ自給の域に達しており、鉄鋼、自動車など重工業のの分野の発展も急速に進んでいる。
 工業生産の国内総生産(GDP)への高い寄与率(約25%)を考慮に入れると、食品加工、飲料、繊維および繊維製品、化学品、石油精製、金属および金属製品、機械および輸送機器などの製造工業が特に重要な分野となっている。
 メキシコでは85年から、輸入制限品目につき大幅な輸入自由化が実施された。また、86年にはメキシコはガット(関税・貿易に関する一般協定)に加盟し、87年には更に大幅な輸入自由化措置が発表された。
 ガット加盟を契機に、メキシコは製造業分野においても従来の国産品保護・輸入代替型の開放政策から、内外市場で国際競争に耐えることの出来る体質強化が一層

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION