積極的開発による工業化促進政策が打ち出されるに及んで、メキシコ石油は世界の注目を浴びるようになった。
88年末の公式確認埋蔵量は676億バレルである。推定埋蔵量は900億バレルであり、以上を含めた潜在埋蔵量としては2,500億バレルとも言われている。
石油の埋蔵は、メキシコ湾沿岸と同湾内の大陸棚ならびに北部国境地域のほか、太平洋岸および内陸各地に発見されている。
原油生産は、1973年当時は平均52.5万バレル/日であったが、79年には平均161.8万バレル/日に増加し、89年には平均251.3万バレル/日に急増し、世界でもソ連、米国、サウジアラビア、中国、英国に次いで第6位の原油生産国となった。
原油輸出についても、1973年の「ゼロ」から89年には128万バレル/日となっているが、債務危機以降の投資不足により、生産能力は当面横ばいの傾向があり、内需の増加と相まって、輸出は漸滅傾向にある。
メキシコ政府は、石油関連事業を国家の独占事業とするため、1938年にPEMEX(Petroleos Mexicanos)を設立した。
現在、同社は石油および天然ガスなどの炭化水素エネルギー資源の探査、開発、生産、精製、販売、輸送、輸出、さらに基礎石油化学製品の生産、販売に至る広範囲な分野を独占している。
石油収入の低迷を打開するため、89年に政府は従来、Pemex社が独占していた基