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 しかし、同国唯一の外貨獲得の資源ともいえる石油は、最近もちあがった湾岸紛争問題等により徴妙な状況となっている。
 加えて米国の対リビア経済制裁により大幅な緊縮予算を強いられ国内経済は伸び悩んでいる。
 さらには、カダフィ大佐のイスラム教を基調においた社会主義的、民族主義的民主国家建設のための政治理論は、資本主義とも共産主義とも異る外交方針であるが、これは理念としての外交方針であり、実際には、反共を唱えながらソ連との関係は深く、かつ欧米諸国は、石油購入の最大の得意先でもあるといった状況である。
 一方、わが国との貿易関係をみると、わずかに原油等の輸入があるだけで、殆んどないに等しく、また特に船舶については10数年前に数隻の輸出実績があるだけで以後、全く引合いもない状態である。恐らく現政権下では輸出船市場としては考えられないであろう。

 

 

 

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