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 エジプトは、5,100万人(87年末現在)という中東最大の人口を抱えているが、産菜が未発達なため、こうした人的資源を十分に活用することができない。
 人口の急増を背景として、毎年35万〜40万人の新しい労働人口が誕生し、労働市場および政府の雇用政策に大きな負担となっている。
 近年における就業構造の推移をみると、農業部門は耕作可能地が限られているたう、新規の雇用を創出する機会が少ない。他の産業部門も同様の状況にあるが、公共サービス部門がその分だけ拡大してきている。これは、政府機関、公営企業が余剰労働力の吸収を進めている結果である。このため、国営企業の経営の悪化や、政苛機関の行政能率の低下といった事態が生じている。
 海外への出稼ぎ労働老は、約200万人といわれ、これら労働者からの国内送金(88年約40億ドル)は国際収支に大きく貢献している。他方、頭脳流出、熟練労働等不足といった問題も出ている。
 農業部門では、主要農産物のうち、生産量の伸び率が人口の急増(年平均2.8%)を下回る作物もあり、これが食料品輸入増による外貨負担の要因となっている。国r食料需要の50%以上を輸入に依存しており、主食の小麦および小麦粉の輸入は、。7年には540万トンにも達している。

 

 

 

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