
エ ジ プ ト
(1)一般事情
エジプトは基本的には農業国であり、かつては綿花、米など農産物が輸出の主力であった。しかし、石油の輸出余力が生じて以来、農産物にかわり、石油の比重が年々増大し、85年には石油・石油製品は輸出総額の65%を占めるに至った。 農業部門では、農業開発に不可欠な各種の近代的灌概方式が導入されているが、耕地面積には限りがあり、また、投下資本の不足もあって、国土面積全体の僅か6.5%が開墾されているに過ぎない。 現在、農耕地1,120万エーカーのうち、502万エーカーは主として綿花、米、とうもろこし、ソルガムなど夏期作物、495万エーカーは主に小麦、豆類、クローバーなど冬期作物、82万エーカーはナイル川流域の農作物、41万ヘクタールは輸出向け柑橘類を主体とした呆樹園に使用されている。 エジプト経済の基幹となるべき農業部門のシェアは近年、相対的に後退しているが、それでも国内総生産(GDP)への寄与率は20%(87年)と高く、また、産業別就業人口のなかで、農業部門の就業人口が最も多く、全体の34.6%(85年)を占めている。
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