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(B)輸入資金の調達状況

 トルコの民間企業が輸入資金について、短期の資金調達を受けているのは一般に市中銀行であり、中長期の融資はトルコエ業開発銀行(Industrial Development Bank)およびトルコエ業投資信用銀行(Industrial Investment &Credit Bank)など特殊銀行に限られているが、金利が高く、その上手数料などの経費がかさむため、自已資金の運用が主体となる。
 しかし、トルコの民間船主は概ね資金力に乏しく、従って、民間船主による船舶の輸入は極めて制限されるのが実情である。
 トルコ海事銀行(Turkie Denizcilik Bakasi TAS)は、新造船の建造に対し低金利で融資を行っているが、これは国内での建造を対象としたもので、海外発注には適用されていない。また、海事銀行の場合も船舶の輸入については、長期延払いが前提となっている。
 なお、上述の工業開発銀行は、WB(世銀)をはじめIDA(国際開発銀行)、EIB(米国輸出入銀行)、AID(国際開発局)などから多額の長期借款を受けている。

(C)契約条件

 トルコ船主は、国内法が外貨建て銀行保証の発行を認めていないため、延払い支払い分の全額を本船担保でカバーできる造船契約を希望している。
 その一例として、かってトルコの大手船主からの新造船入札に際し、わが国造船所の船価が他国と比べ低かったが、本船担保条件を受諾した船価の高い他国造船所に落札したケースがあった。
 従って、こうした契約上の問題点を検討しておく必要がある。

 

 

 

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