日本財団 図書館


 

 工業製品輸出の主力は繊維品であり、87年には輸出総額の27%を占めた。
 繊維工業、化学工業および鉄鋼工業の生産は、86年には前年比11.1%増を記録し、この部門の成長率の増大に期待が寄せられている。
 トルコは、多種類の鉱物資源に恵まれている。石油資源は少ないが、石炭の推定埋蔵量は13.7億トン、亜炭の推定埋蔵量は59.3億トンに達している。
 このほか、クローム鉱、鉄鉱石、マンガン、アンチモン、銀、銅、亜鉛、水銀、硫黄、ボーキサイト、棚砂、大理石、岩塩などを産出し、このうちクローム、アンチモン、マグネサイトは輸出品となっているが、トルコの鉱業は未だ十分に開発されておらず、今後の外資による開発が期待されている。
 石油の埋蔵量は少なく、86年の石油生産は約240万トンで、国内需要の12%程度を満たしているに過ぎない。
 86年の石油輸入は、世界石油価格の下落により18億700万ドルにとどまったが、87年には石油価格の上昇と輸入量の増大(17.3%増の1,960万トン)により、石油輸入代金の負担は29億2,600万ドルに達した。
 貿易関係については、トルコの貿易構造は、かっての一次産品輸出、工業製品輸入という農業国型から脱却し、工業製品を輸出して原材料を輸入するという工業国型のパターンヘ転換している。

004-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION