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サウジアラビア

(1)一般事情

 

 サウジアラビアの経済は、典型的な石油依存の経済で、国内総生産(GDP)に占める石油部門の比率は約60%(79〜84年平均)におよび、石油製晶を除くと、国内自給の出来るものは殆どなく、経済建設に必要な資本財や消費財、さらに食糧も輸入に大きく依存している。
 石油収入は、国家財政収入の約85%を占め、輸出総額に占める石油部門の輸出額は約95%に達している。
 サウジアラビアは、世界最大の原油埋蔵量(87年1月現在の確認埋蔵量は1,666億バレル)を保有し、現在のような低生産状態が続けば、可採年数は今後90年と推定されており、世界平均の約29年と比較して遥かに長い。
 現在、サウジアラピアは世界最大の原油輸出国であるが、原油生産国(87年2億950万トン)としてはソ連(同6億2,5C0万トン)、米国(同4億6,050万トン)に次ぐ世界第3位である。
 サウジアラピアの石油探査活動は、1933年に初めて開始され、38年に至って商業べ一スに乗った開発可能な埋蔵が発見され、現在では東部地方における14大油田、とくにGhawar(世界最大規模の油田)、Safaniya(世界最大の海底油田)、Abqaiq,Berriなどの大油田から採掘されている。
 石油部門を除げぼ、サウジアラビアの鉱業は採石が行われている程度に過ぎない。しかし、鉱業探査は米国、日本、フランスなどによって地質調査が行われ、既に紅海沿岸を中心に金、銀、銅、亜鉛、鉄鉱石、ニッケル、ボーキサイト、ウラン、石炭などの埋蔵が確認されている。
 これらの資源は、石油・鉱物資源省の管轄下にあり、商業生産はPetromin(石油・鉱物資源公社)が外国企業と合弁で進める方針であり、石油後に備えた鉱物資源開発への積極的な意欲が示されている。
 サウジアラピアの工業は、石油産業のPetrominおよびSabic(サウジアラビア基

 

 

 

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